大河ドラマ 義経

29/49「母の遺言」

義経(滝沢秀明)は、鎌倉に戻った範頼(石原良純)の後を受けて頼朝(中井貴一)の代官として都での諸事を任される。
後白河法皇(平幹二朗)は義経を利用して源氏方のかく乱を画策する。
ある日、義経は吉次(市川左團次)から母・常盤(稲森いずみ)が病に臥せっていると知る。常盤の身を案じるもかつて常盤と交わした「二度と屋敷を訪ねない」との約束を破ることをためらう、義経は常盤のもとに駆け付けることができずにいた。そんなある夜、病の身を押して義経の屋敷を訪ねた常盤は、「身の処し方を誤らぬよう、物事の表裏を見極めよ」と諭す。それは運命に翻ろうされ続けて来た母子の最後の語らいであった…。
義経は、法皇検非違使左衛門少尉に任命される。頼朝の承認を得ていないことに戸惑いを覚える義経だったが、丹後局(夏木マリ)や平知康(草刈正雄)らの説得に折れて官位を得る。義経任官の一件は鎌倉にも届き激怒した頼朝は義経を新たな平家追討の軍から外し、さらには御家人の娘・萌(尾野真千子)を妻として迎えるように命じる。ただ困惑する義経だったが、忠誠の意を示そうと形ばかりの妻をめとる。

30/49「忍び寄る魔の手」

平家追討の軍から外されて都に残った義経は、夜盗の取り締まりに追われていた。
義経は、朱雀の翁(梅津栄)の力を借りて夜盗の首領たちと話し力を貸してほしいと話す。義経の心からの説得が功を奏し、都は少しずつ平穏を取り戻し始める。
義経は後白川法皇から従五位下の位を授かる。これも後白川法皇からの策略だった。頼朝は大姫での生活や周りの信頼から悩んでいた。しかし、ついにその悩みに結果を出す。頼朝は「義経を大将に任じて屋島の平家を討つ」と家臣の前で宣言する。

31/49「飛べ屋島へ」

平家追討の総大将を命じられ、勇み立つ義経。
鎌倉の命によって梶原景時(中尾彬)が差し向けられる。
出陣の日、一ノ谷の戦いで知り合った猟師の鷲尾三郎(長谷川朝晴)と妹・まごめ(高野志穂)が義経を訪ねて来る。まごめは「兄を家来にして欲しい」という。義経は兄妹の願いを聞き入れて鷲尾三郎を家来に加える。それ以降は『熊』と呼ばれることになる。
義経一行は摂津で景時(中尾彬)と合流する。戦支度が思うようにいかず、景時と口論する。
三郎や次郎(うじきつよし)らの偵察により独自の情報を得る。この徹底した情報量が義経の強さでもあった。